カーリングというスポーツをご存知でしょうか?
選手がブラシのようなもので抵抗を
少なくし氷上の石を
滑りやすくしていくスポーツです。
このように子どもを過保護に安全に
育てる親をカーリングピアレンツと呼びます。
親が子どもに苦労をさせまい、
傷をつけまいとすることで
子どもの自立の芽を摘んでしまうのです。
転んでも立ち上がり方がわからない
打たれ弱い大人が今、とても増えている背景には
こんな事情があるのです。
わが子が生きていくうえで大切な
困難や試練を体験する機会を
奪ってしまうのです。
「子供が失敗すると親自身が不安になる」
そもそも、これが親の動機になっています。
子供のためと言いつつ、親が自分の
不安を回避したいわけであって
これはもはやエゴと言えます。
成長過程でこのような親の保護を
受けた子供たちは生きていく過程で
困難や試練に遭うとどうなるでしょう。
体が大きくなるだけで、精神的には
自立できず、ストレスに弱く傷つきやすくなります。
このことは結婚後、夫婦間の障害に
なる場合があります。
夫と話し合いをしようとしても、貝のフタを
閉じたようにだんまりを決めてしまう。
普段の会話はなんとかなるけど、核心に
触れたとたん、部屋にこもる。
どこかに行ってしまう。
そんな相談があとを絶ちません。
夫の母親がどんな教育をしてきたのかを
ヒアリングすると大抵がこのタイプ
だったりするのです。
めっぽう打たれ弱い人が
結婚すると、本人も配偶者も苦労します。
なぜか配偶者や子供に対してキレやすくなる。
あるいは、相手を完全無視する。
この根底には、親のエゴに縛られて
身動きがとれずにいた、過去の悲しみが
見て取れます。
自分をさらけ出すことに、恐怖を感じて
しまう原因がどこにあるのか本人も薄々感じてはいるのです。
ところが自分が自立できず、試練に
対応できないくやしさ、いらだちをぶつける
ターゲットが親であるはずが、なぜか
配偶者になってしまうのです。
生きていれば誰でも、試練やストレスに遭遇します。
親が子供を守ろうとするあまりに、
先まわりして回避させた
ツケは大きなものになります。
子供に対して「お前のためだから」と言いながらも
どんどん子供を打たれ弱くしてしまう。
可愛い子には旅をさせよという格言がありますが
この言葉はもう一歩深く受け止めるべきです。